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先日、第46回東京都学校歯科保健研究大会が、なかのZERO大ホールで開催されたので、出席した。
最初、学校歯科保健優良校入選校・歯の作文入選者の表彰式があり、
次に、品川区立鈴ヶ森中学校 8年生(中2)
の素晴らしい、合唱が披露された。
次に、講師に夜回り先生こと、花園大学客員教授 水谷 修先生をお迎えして、
「あした、笑顔になあれ」
~夜回り先生からのメッセージ~
というテーマで、特別講演が催された。水谷先生は自らの体験を基に、疎外される子どもの気持ちや夜の街、薬物の怖さなどを切々と説明。保護者や教職員らに「子どもたちを優しさと愛で包んでほしい。愛が深いほど非行や心の病から遠ざけることができる」と訴えかけた。先生によって紹介された身近な「闇」の世界に驚かされたり、感銘を受けたりした。 水谷先生は我々に、自らがかかわった薬物中毒の子どもがどんな悲惨な死を遂げたかなどを克明に紹介。薬物が身近な存在になっていることを説明しながら「夜の街は薄汚い。無造作に入ってきてはいけない」と警鐘を鳴らした。
人はなぜ生まれたのか。自分を必要とする人がいる。人は誰かが幸せになるためにいる。
今、昼の世界に闇の世界が入ってきている。キラキラと輝く夜の世界。でも夜の世界は美しくない。虚構の世界。
醜い。悲しみ、イライラ、攻撃的。家庭の中にイライラが入っている。心が安らぐ場がない。 心が安らぐ場がない。18年前から山下町の夜回りを始めた。夜の世界にいた子どもたちとつながりを付け、昼の世界に戻してきた。
8年前、福岡でリストカットしている子と出会った。夜、眠れない子がいることが分かった。皆、救いを求めている。
勝負に出た。メールアドレス、電話を公開した。48万3千人と関わってきた。
しかし不本意ながら、72名の子どもを失ってしまった。水谷先生の、この凄まじいばかりのエネルギーは、先生の後悔と懺悔に基づいていることを知って、愕然としたのは、私ばかりではないと思う。
子どもたちのまわりに4つ問題がある。いじめ、不登校、心の病、非行・犯罪。今、12万人の不登校の小中学生がいると聞いており、大問題だと考えていたが、水谷先生は、不登校の解決など、簡単だと豪語されていた。不登校の生徒がいたなら、相談する前にすることがあると先生は言われる。そんな子供には、1日10キロ走らせることが必要だ。健全な精神は、健全な肉体にしか宿らないからだ。肉体を酷使することが大切と、強調されていた。
1990年、バブルがはじけた。景気が悪化し、リストラ、転職、公務員の給料も下がる。会社でも働きにくい。みんなイライラしている。会社でリストラされた父親は、家庭で、DVで母親をいじめ、母親は子供をいじめる。いじめられた子供は、学校で気の弱い子供をいじめる。その子供は、心を閉ざしていまい不登校に。中には鬱病。それが構図だ。
18歳までは夜11時から朝6時までゲーム、インターネット、携帯は取り上げるべき。夜は感情的になる。人間は太陽の下で生きる動物。今は、糸電話が大事に。
また、リストカッターが増加している。リストカットの行き着く先は死。急に止めてはいけない。心がパンクしてしまう。末は、狂うか死。そのリストカッターに、オーバードース (薬物過量投与)する精神科医のほとんどは、殺人者そのものであると先生は言い放つ。
幸せは昼の世界にしかない。
児童108人のうち74人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校。黒い津波に飲み込まれて、教職員は13人中7人が死亡、3人が行方不明。その行方不明の一人が、先生の金沢高校時代の教え子で東京学芸大学を出て、大川小で5年1組の担任をされていたそうだ。無念さが滲み出ていた。
今、ほめられることが少ない。 ほめてもらえると自己肯定感を持つ。昔から「10褒めて1叱れ」といわれている。91年以降、大人がゆとりを見失っている。
ストレスを感じると眠れなくなる。心と体の分離が起きる。肉体を健全に疲れさせることだ。
今日から1日50個褒めるような家庭作りを。
祖父母の方は遠隔地にいるお孫さんに毎日電話を。優しい声で生きる力を。
四年生以上であれば、週一回、金曜日か日曜日の夜9時から10時の間に「学校は楽しいかい」と連絡をしてあげて欲しい。
学校では子どもたちを1日10個褒めるように。美しい、優しい言葉を。
子どもたちが受けた優しさは、忘れない。
すべては笑顔にあふれる子供のために。
大変感銘を受けた素晴らしい講演会だった。